和歌山県立貴志川高等学校

貴志川高校モニュメント制作秘話(元 校長 楠見 隆功氏より)

当時のデッサン
当時のデッサン
平成17年、貴志川高校の敷地内に、シンボルとなるようなモニュメントを設置するという話があり、モニュメントのデザイン案については校内で決めて良いと、当時の教頭(坂本 晏宏教頭)から提案を受けました。
予算がついて事業が具体化して、デザイン案については教職員や在校生徒から募ることにしました。(この時期の前後、他校でも同様にモニュ メントの設置事業があり、生徒主体でデザインを決めたり、美術科教員が直接デザインしたりする場合もあったようです。)
貴志川高校でも、在校生徒にデザイン案を募集したところ、田村晃子(泉中ひとみ先生が担任)が応募してきたので、彼女のデザイン案を中心に話を進めていきました。
当初のデザイン案で、ミニチュア作品を制作したのですが、県の了承が得られず、本人と共にデザインを修正して練り直したのが、これです。
モニュメントの表す意味 モニュメントの表す意味
このデザイン案をもとに再びミニチュア作品を制作して、県から了解を得ることが出来ました。
 デザイン案の趣意書はもう手元にないのですが、頭の真上で両手を重ねて、伸び上がっている様子がデザインのモチーフになっています。
モニュメントの球体の部分は顔で、その上の三角形に尖った部分は両手を重ねている様子です。
現在。貴志川高校正門にて
現在。貴志川高校正門にて
二対になっているのは、生徒と先生、親と子、先輩と後輩などの関係性の和を象徴しています。
二者で共に、夢や希望、未来に向かって伸びていこうとする姿を表現していたと思います。
モニュメントの制作にあたっては、フロンズで制作する案もありましたが、光沢のあるステンレスを素材にしたために、美しく輝く作品になりました。
実際の制作にあたっては、曲面部分の加工が多く、非常に困難であったと聞いております。
このような経緯を経てこのモニュメントができあがりました。
この先も、変わらぬ姿で貴志川高校のシンボルとして存在し、生徒を見守っていくことでしょう。